最高の本を作ろうと思っているのに,B版50kg以下の紙を使う人はいない。でも,PDFはもう,ダイムノベル以下の紙質に堕ち果てた。
ピーチーという名のビジュアルベーシック・スクリプトは,アドビ社のPDFファイルに埋め込まれて送られてくる。実行される前にアクロバットは警告のメッセージを出すが,その保護機能がユーザーを遠ざけるかもしれない。ピーチーは,安全と云われてきたPDFもそうではないということを立証し,これから起こることの前兆なのかもしれない。
デフコンのときに,アドビのPDFのセキュリティーの弱さを指摘した研究者が逮捕された(過去記事)。先日やっと条件付きながら釈放されたが(WIRED NEWSの記事),とても論理的ではない逮捕という悪法の適用とPDFウイルスの公開は,決して偶然ではない。アドビの態度はそれだけ反感を生むものだったし,PDFがこれから有用なファイルフォーマットとして活用される芽を摘む行為でもあった。
まぁPDFなんて偽装のときの拡張子としてしか使わないよという人も多いだろうから(^_^ゞ,使わん人にはさっぱり使わないファイルタイプだが,現状以上に普及することはないだろう。これだけ目に見えて汚れていくのも珍しいか,アドビが自ら選択したこと。私もPDFなんてできれば使いたくないし,ダイムノベル(安小説)以下の品位に堕ちてくれて十分だ。
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